イオン液体(アミノイオン®)
自社の技術とノウハウを駆使し、独自に設計した「アミノイオン®」を開発
当社の強みは、界面活性剤やグリコールエーテル、アミンといった多様な製品を製造し、取扱うことができる点にあります。この強みを最大限に活かし、当社製品の製造技術を応用して独自に設計したハロゲンフリー型イオン液体であるアミノイオン®を開発しました。
アミノイオン®は、帯電防止剤、防曇剤、超親水化剤、濡れ剤、汚染防止剤としてご使用いただけます。また、乳化重合用界面活性剤など新たな用途開発も目指しています。
多種のアミノイオン®がございますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
イオン液体とは
イオン液体とは、常温で液体の「塩」です。イオンから構成される塩は、塩化ナトリウムなどのように、融点が高く、常温では固体として存在すると考えられてきました。しかし、イオン液体は、融点が低く、常温で液体として存在し、これまでの液体では見られなかった性質を持つユニークな物質です。近年、このような性質やアニオン、カチオンの組み合わせによる構造のデザイン性の高さから、様々な用途で応用研究が行われています。
アミノイオン®概要
製品名 | アミノイオン® |
---|---|
一般名称 | イオン液体 |
1.防曇・帯電防止剤
■特長
- ・各種樹脂に対し、少量の添加で帯電防止性を発揮します。
- ・過度にブリードアウトしないため、耐水性に優れます。(表1)
- ・湿度の影響を受けずに効果を発揮します。
- ・塗料、コーティング材、フィルムなどの用途にご使用いただけます。
■耐水性評価(表1)
単位:Ω/□
樹脂 | アクリレート系 | アクリルースチレン | ポリエステル系 |
---|---|---|---|
洗浄回数 | 0回 5回 | 0回 5回 | 0回 5回 |
アミノイオン®Type 1 | 109 109 | 109 109 | 109 109 |
活性剤※ | 107 Over | 108 Over | 108 Over |
※ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド
樹脂に対して2%添加
・表面抵抗率
三菱化学ハイレスター:URSプローブ
印加電圧250V、25℃、50%RHにて測定
ブランク:1013over
・耐水性評価
中性洗剤を染み込ませたスポンジで擦り、水で流す。
乾燥後、表面抵抗率を測定。
帯電防止性に加え、用途に合わせて各タイプをラインナップしております。
・樹脂コンパウンドに適用可能な耐熱性に優れるタイプ
・防曇性を発揮するタイプ
2.超親水化剤、濡れ剤、汚染防止剤
■特長
- ・構造内に反応性基を有する超親水化剤、濡れ剤、汚染防止剤です。
- ・アクリルモノマー等と共重合することで超親水性を付与することができます。(表2)
- ・少量で効果を発揮するため、樹脂本来の物性を維持することが可能です。
- ・塗料、コーティング材、フィルムなどの用途にご使用いただけます。
■重合例(表2)
重合方法 | アミノイオン® Type2 添加量(固形分) |
表面抵抗率(Ω/□) | 接触角(°) |
---|---|---|---|
溶液重合 (MMA/BA=65/35) |
Blank | OVER | 70 |
2% | 1×1011 | 3 | |
5% | 4×1010 | 4 | |
UV重合 (DPHA) |
Blank | OVER | 47 |
2% | 8×1010 | 6 | |
5% | 7×1010 | 6 |
- ・表面抵抗率:三菱化学ハイレスターUP;URSプローブ、印可電圧250V 25℃、50RH%にて測定
- ・接触角:着滴後30秒、25℃
3.乳化重合用活性剤
■特長
- ・構造内に反応性基を有する乳化重合用界面活性剤です。
- ・反応性基が共重合するため、耐水性が良好です。
- ・凍結融解安定性、密着性に優れます。(表3)
- ・従来の界面活性剤と比較して少量で乳化重合が可能です。
- ・低起泡性、高消泡性です。
- ・成膜時に超親水性を付与する効果を持つタイプもあります。
- ・塗料、コーティング材、フィルム、粘着剤、ワックスなどの用途にご使用いただけます。
■重合例(表3)
アミノイオン®Type3 | |||
---|---|---|---|
モノマー組成 | BA(39)/MMA(42)/St(16.5)/AA(2)/シランカップリング剤(0.5) | ||
アミノイオン®Type3 使用量/モノマー(%) |
1.2 | 1.5 | 2.0 |
重合安定性(%/モノマー) | 0.05 | 0.04 | 0.06 |
重合転化率(%) | 99.6 | 99.5 | 99.9 |
DLS平均粒子径(nm) | 136 | 135 | 127 |
耐水性(△L値)※1 | 6.8 | 8.3 | 10.1 |
凍結融解安定性※2 | ○ | ○ | ○ |
密着性※3 | ○ | ○ | ○ |
モノマー濃度:50.0% 重合開始剤APS:0.3%
- ※1 エマルジョンをガラス板に塗布し、110℃3min乾燥・ 24h室温で放置後25℃の水槽に100時間浸した。
Dry膜厚:約20μm L値測定(色彩色差計):コニカミノルタ製 - ※2 10℃、16h→室温を5サイクル
- ※3 クロスカットテスト